中年夫婦の35日間オーストラリア旅行記

一万キロのバスの旅

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◆バスの中で(その二)
バスに乗るときの必需品は「枕」。オージーは、大きな枕や毛布を抱えてバスに乗り込んでくる。
長時間のバス旅行には、夜寝るときに限らず、枕があると腰に当てても楽だ。我々は、日本のトラベラーズ・ショップで売っている「空気枕」を持参した。

もう一つの必需品は、長袖のセーターかシャツ。車内の温度はエアコンで調整されており、北部の州を走っていると肌寒いくらいに冷房が効いている。吹き出し口に近い窓際の席では、ちょっと効き過ぎるくらいだ。短パンとティー・シャツで旅をする場合は、預ける荷物の中から、長袖のものを一枚出して持ち込んでいたほうがいい。

走れども走れども地平線しか見えない道を延々と走っていると、最初のうちはともかく、だんだんと飽きてしまって退屈してしまう。夜などの眠れないときにも、何か気を紛らわせるものが必要だ。
そんな時に役に立つのが、1、2冊の文庫本。それも思いっきり難しい分厚い奴がいい。あまり薄くて面白いのだと、すぐに読んでしまってそれっきりになってしまう。読み始めたらすぐに寝てしまって、いつも同じところを読んでいるような、「睡眠薬代わり」になる難しい本がおすすめだ。

バスの座席が自分の希望どおり選択できるかどうかは知らなかったが、昼間外の眺めを楽しむなら、左側の前の座席がいい。
あの有名なカンガルーのロード・サインも見つけやすいし、道路を横切るカンガルーやエミューを見ることもできる。しかし、中ほどの席に座った我々でも、路傍に横たわるカンガルーの可哀相な死骸を何頭も見ることができた。
二人連れの我々は、常に並んだ座席を確保できたが、あの狭い座席で、巨大なオージーと隣り合わせになったら窮屈でしようがないだろうと思う。

洗面用具はバスの中に持ち込んでおいた方がいい。アデレードからパースまでのように1日半かけて走る場合には、途中朝を迎えたミール・ストップのときに顔を洗い歯を磨かなければならない。トランクの荷物に入れてしまうと、「しまった!」ということになる。
ミール・ストップで止まるガソリン・スタンドなどには、有料のシャワールームがあり、汗を流すこともできるが、食事をとるか、シャワーを浴びるかは、短い時間の中での選択判断となる。

◆バスを降りて
目的地にバスが着くと、運転手がトランク・ルームから荷物を下ろしてくれる。クレイム・タグの確認はないので、自分で忘れ物のないように確認しなければならない。
タウンズビルで下車してYHAに着いた後、手提げ袋に入れてあったコーヒーポットがなくなっているのに気がついた。翌日、ターミナルのカウンターでその旨を申し出たのだが、後の祭り。何も届け出はなかったとのこと、悔しい思いをした。
途中、トランクの中でこぼれ落ちたのか、テナント・クリークで乗り換えたときに運転手が積み込み忘れたのか。いすれにしても、こちらの荷造りがまずかったせいもあり、あまり強く抗議できなかった。
考えてみれば、これが今度の旅行中の唯一のトラブルだった。

トランジット・センターには、無料のシャワー・ルームがあり、汗を流してすっきりした後街へ出かけるという手もあるが、我々の場合、早朝でもチェック・インできる宿がほとんどだったため、利用する機会はなかった。

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