中年夫婦の35日間オーストラリア旅行記

こぼれ話

 

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南十字星 Southern Cross

オーストラリアは空気が澄んでいるせいか、星空が素晴らしくきれい。「降るように」という表現がまさにぴったりの星の数だ。特に夜行バスで走っていると、バスの窓からでも肉眼で天の川 Milky Way がはっきり見える。本当に白く光っている。子供の頃に田舎で見て以来、最近は日本ではこんなきれいな星空は見る機会がなくなった。
星座には詳しくないが、北の空にはオリオン座が見つかる。南じゃなくて北なのですぞ。何しろここは南半球なのだから。但し、日本で見るのとは向きが逆さま。日本の南の空に見えている星座は、すべて北の空に逆立ちして見えるのだ。

ところが、南半球に来て誰もが見たいと願う「南十字星 Southern Cross 」がなかなか見つからない。ガイド・ブックには、必ず「ニセ十字に注意」と書いてある。一応十字型に並んだ4つの星は見つかった。しかし、それがニセモノなのか本物なのかが分からない。
レスト・ストップの時にバスの運転手に尋ねてみたが、たまたま地平線近くに下がっている時で建物の影になっていたり、ガソリン・スタンドの照明が明るすぎたりで、見えないという。
ようやく確認できたのは、オーストラリアに入って10日以上も経った夜だった。
なるほど、ニセ十字の方が大きくはっきりしている。何故こっちがニセモノ?という感じである。本物の方はこじんまりとした、あまり目立たない存在。天の川の光芒の中にひっそりと光っている。誰が見つけて名付けたのだろう。
そもそも「南十字星」は、北半球の北極星と違って、真南にあるのではなく、天の南極からはかなり離れている。従って季節や時間によって南の空を大きく回転している。「ニセ十字」はもっと天の南極から離れているため、ニセモノの座に甘んじているのかもしれない。

南十字星

一度見つけてしまえば、探すのは割と簡単。本物の側にはケンタウルス座のアルファとベータというふたつの明るい星が輝いており、このふたつの星の間隔を2倍くらい延ばしたところに南十字星が見つかる。
南十字星は4つではなく5つだ。オーストラリアの国旗にも、右下の小さな星を含めて5つの星が描かれている。
ところで、左の(ユニオン・ジャックの下の)大きな星は何だろう? 位置からすると「ベータ星」なのだが……などと、ず〜っと考えていたのだが、これはオーストラリア7州を表す七稜星「連邦の星」なのだそうだ。

ついでの話だが、南十字星に接して「コール・サック(石炭袋)」と呼ばれる黒い部分がある。白くぼんやり光る天の川の中で、星の少ない部分が黒く浮かび上がって見えているのだ。アボリジニのある部族では、これをエミューが卵を抱く姿と見ているそうだ。