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6月29日(木)
![]() 重い荷物を背負って走るようにして駆け込む。どうにか間に合った。毛布2枚を借りて部屋に上がったら、ベッド・シーツが1つ分しかセットされていない。慌ててレセプションに駆け下りると、既に閉まっている。中身がこぼれそうなぼろぼろのマットレスの上で1晩寝る羽目になってしまった。名前は、アドヴェンチャー・リゾート Adventure Resort とかっこいいが、やはり値段だけのことはある(ツイン$31)。 持っていたインスタントもので夕食を済ませ寝てしまった。 6月30日(金) タウンズビル Townsville は、ケアンズの南約350kmに位置する人口13万人の美しい街。'dry tropic' と呼ばれるノース・クイーンズ・ランドにあって、晴天日数は年間320日にのぼるという。1864年に開設され、後にシドニーのビジネスマン Robert Towns にちなんで名づけられた。 タウンズビルには、1896年(明治29年)初めて日本の領事館が開かれた。 当時、クイーンズランド州の沿岸地帯に広がるサトウキビ畑で働く日本からの出稼ぎ労働者が多く、この街には900人もの日本人が住んでいた。 1908年領事館はシドニーに移ったが、その後も代々名誉総領事をつとめたグリーン家が、今では史跡記念物になっている。 クイーンズランドのサトウキビについては、こぼれ話シリーズ第9話「サトウキビ鉄道」を参照されたい。 久し振りにクイーンズ・ランドに戻ると、太陽の光がまぶしい。 朝、洗濯を済ませて、トランジット・センターに寄り、ケアンズまでの最後のバスの座席を予約。残りのキロ数を確認すると、充分残っていた。 ![]() ロス・クリーク沿いの道をブラブラ進むと、右側にトロピカル・クイーンズランド博物館と世界有数の巨大水槽のあるリーフ・エイチ・キューがある。時間つぶしに博物館だけのぞいてみた。 ![]() 我々も靴を脱いで砂浜を歩き、途中で買ったサンドイッチで昼食にした。 宿に帰って、廊下でタバコを吸っていると、一人旅の日本人、22歳のI君と会う。若い頃バイクでアメリカを横断したお父さんにあこがれ、今こうしてオーストラリア一周の旅に出たのだという。感じのいい、かっこいい青年だ。 宿の裏、パルマー・ストリート Palmer St. にあるバー&レストランに夕食に誘う。我々はスコッチ&ウォーター、彼はビール。 I君に話しかけてきた酔っ払いのおじさんが、いつの間にか同じテーブルに居座る。チェコからの旅行者で楽しい人だが、相当酔っていて英語がほとんど聞き取れない。 10時半を回ったところで、チェコ氏をI君にまかせ、バイク旅行の安全を祈って宿に戻った。 7月1日(土) 10時45分、バスに乗車。とうとう最後のバス旅となった。ケアンズまではわずか400キロ、5時間半しかかからない。 1ヶ月前、ケアンズからブリスベンまで、初めて走ったハイウェイを、今度は北へ向かって走る。あと少しだ。
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